○網走市工事施行規程

昭和49年8月28日

訓令第2号

第1節 総則

(趣旨)

第1条 本市の工事(測量委託、設計委託業務を含む。)の施行及びこれらに附帯する事務の処理に関しては、別に定めがある場合を除くほか、この訓令の定めるところによる。

(工事の委託)

第2条 部長等(以下「他の部長」という。)は、予算の配当を受けて工事を施行しようとする場合で、工事の内容、性質により必要があると認められるときは、他の部長等(以下「工事担当部長」という。)に、工事の施行又は契約に関する事務を委託することができる。

2 前項の規定により、工事の施行又は契約に関する事務を委託する場合には、他の部長は、当該工事に関する計画書を作成し、必要な説明資料を添えて、工事担当部長に提出しなければならない。

(他の部長の要求)

第3条 他の部長は、委託した工事の施行につき、その進ちょく状況等について、工事担当部長に報告を求めることができる。

(工事の施行)

第4条 工事の施行に関する決裁は、網走市契約に関する規則(昭和49年規則第19号)に定める伺書により、これを受けなければならない。

(設計金額閲覧の制限)

第5条 工事を請負に付そうとする場合、その工事の設計金額及びその内訳を記載した文書は、秘扱いとし直接関係職員のほか、閲覧させてはならない。

第2節 工事関係職員

(工事係員)

第6条 工事の施行のため、工事担当部長は、各工事ごとに監督員その他の必要な職員を所属職員のうちから指名するものとする。この場合において、その工事の規模その他の事情により、監督員を2名以上指名することができる。

2 工事の検査のため、工事担当部長は各工事担当課長を検査員に指名するものとする。この場合において、課長が検査できない場合は、検査のできる技師の課長を指名することができる。ただし、測量委託、設計委託業務については工事担当部長が所属職員のうちから指名するものとする。

3 監督員、検査員は、上司の命を受けて、それぞれこの訓令の定めるところにより、職務を行う。

(工事用帳簿)

第7条 工事担当部長は、工事に関する事項を明らかにするため、次に掲げる帳簿を備え、工事係員に整理させるものとする。

(1) 工事日誌

(2) 支給材料受払簿

(3) 予算差引簿

2 工事担当部長は、当該工事が請負である場合は請負人から1日の作業状況を記録した工事日報等を提出させ、これを監督員に確認させたうえ、前項第1号の工事日誌に代えることができる。

第3節 設計

(設計図書の作成・審査)

第8条 工事担当部長は、第4条に定める伺書起案のときまでに、工事の設計図書を作成しなければならない。

2 設計図書の審査は工事担当課長により審査するものとする。この場合において、課長が審査できない場合は、審査できる技師の課長を指名することができる。ただし、測量委託、設計委託業務は除く。

(設計図書の構成)

第9条 設計図書は、次の4部をもって構成する。ただし、工事担当部長が必要ないと認めたときは、構造計算書を省略することができる。

(1) 設計内訳書

(2) 工事仕様書

(3) 設計図面

(4) 構造計算書

2 設計内訳書は、設計説明、工事別単価及び歩掛等積算根拠を記載して作成するものとする。

3 工事仕様書は、工事の施行のため、必要な事項を記載して作成するものとする。

4 設計図面は、工事の施行のため必要な要件をすべて明示するように作成するものとする。

5 前各項の規定は、設計変更書を作成する場合に準用する。

(直営工事)

第10条 直営工事は、当該工事が、次の各号の一に該当する場合に、これを行うものとする。

(1) 急施を要し、請負に付することができないもの

(2) 請負に付することが不適当と認められるもの

(直営及び請負工事設計の分離)

第11条 一の工事を直営の部分と請負の部分とに分ける必要がある場合においては、各々別にこれを設計しなければならない。

第4節 施行

(施行準備)

第12条 工事担当部長は、契約締結後、監督員その他の工事係員に関係書類の整備と工事の施行について必要な事項を指示しなければならない。

(着手)

第13条 監督員その他の工事関係職員は、請負人が工事に着手した場合には、上司に報告しなければならない。

(主任監督員)

第14条 工事担当部長は、第6条第1項後段の規定により、2名以上の監督員を指名した場合には、そのうちから主任監督員を指定するものとする。

第5節 監督員の職務

(監督員の心得)

第15条 監督員は、特に工事の現場状況に精通し、請負契約書、仕様書、公示用設計図書及び工事工程表に基づき、工事が施行されるよう監督を行い、請負人に対し、適切な指示を与えなければならない。

(工事施行上の必要事項の掌握)

第16条 監督員は、工事に関する起工承諾、支障物件の除却、土地の立入等工事の施行に関して必要な事項について充分掌握していなければならない。

2 監督員は、工事の施行にあたり、支障となる事項が発生した場合には、直ちに上司に報告し、指示を受けなければならない。

(支給材料及び貸与物件)

第17条 監督員は、請負人に支給する材料又は貸与する機械、物品等がある場合には、支給又は貸与の品目、数量、時期その他必要事項を記載した調書を作成しておかなければならない。

(請負人の労務管理と地元との関係)

第18条 監督員は、常に請負人の労務管理及び地元との関係に留意し、この両者に関する問題の発生のおそれがあるときは、速やかに上司に報告しなければならない。

(監督員の交替)

第19条 監督員が交替するときは、図面上に交替時における工事の出来形部分を明示し、後任者とともに現地において照合のうえ、確認しなければならない。

(書類帳簿等の整備)

第20条 監督員は、次に掲げる書類及び帳簿類を整備し、工事完成まで、一括保管するものとする。

(1) 工事請負契約書写し

(2) 設計図書(特記を含む。)

(3) 工事工程表写し

(4) 現場代理人及び主任技術者届の写し

(5) 支給材料及び材料試験に関する書類

(6) 工事監督記録簿

(7) 工事旬報又は工事日報

(8) その他必要な帳簿、書類及び記録写真

(工事予定)

第21条 監督員は、請負人から工事旬報を徴し、次の事項を確認しておかなければならない。

(1) 主要な作業種目及び作業量

(2) 前号以外の特記事項

(設計変更打合せ記録)

第22条 監督員は、請負人と設計変更について打合せを行ったときは、打合せ事項を記録しておかなければならない。

(工事標識)

第23条 監督員は、請負人に対し、その工事に必要とする所定の標識を設置させなければならない。

(地元居住者への周知)

第24条 監督員は、工事の円滑な施行を期するため必要があるときは、工事の目的、概要、期間その他必要事項を地元住民に周知させ、協力を求める措置をとらなければならない。

(やり形等の検査)

第25条 監督員は、請負人が設置したやり形、丁張現寸図その他工事施行上の基準となる仮施設に対しては綿密な検査を実施し、特に主要なやり形等は、工事完成検査まで保存させなければならない。

(工事の促進)

第26条 監督員は、工事の施行が工事工程表と比較して適正に実施されていないときは、請負人に厳重に注意するとともに、その理由を聴取して上司に報告しなければならない。

2 監督員は、天災その他の事故等によって工事の進ちょくが妨げられたときは、速やかに上司に報告しなければならない。

(材料の検査)

第27条 監督員は、工事に使用する主要材料について、必要があるときは使用前に品質、数量等について検査し、又は試験を行わせ、不合格品があるときは、その使用を禁じなければならない。

(支給材料の引渡し)

第28条 監督員は、支給材料を引渡す場合、所定の場所で請負人立会いのうえ検査し、合格品について支給材料受領書と引換えに支給するものとする。

(支給品の検査)

第29条 監督員は、支給材料の購入のための検査を命ぜられたときは、納入者立会いのうえ、これを検査し、合格と認めたときは引渡しを受け、検収調書を作成して上司に提出しなければならない。

2 前項の検査は、前条に規定する引渡しのための検査を同時に行うことができる。

(支給材料の監督)

第30条 監督員は、請負人に支給材料を使用の都度支給材料使用簿に記入のうえ、工事旬報とともに提出させ、出来高と対比して確認しなければならない。

2 随時引渡済支給材料を検査し、支給材料使用簿の残高と現品数量を照合しなければならない。

(支給材料の返還)

第31条 監督員は、工事の完成、設計変更又は契約解除によって支給材料を請負人から返還させるときは、支給材料返納調書を提出させ、所定の場所において現品を検査確認のうえ上司に報告しなければならない。

(材料調合等の立会)

第32条 監督員は、工事に使用する材料のうち調合を要するもの又は水中若しくは地下に埋設する工事その他完成後外面から明視することができない工事については、その調合若しくは使用又は施工に立会うことを原則とする。ただし、やむを得ない場合に限り、施工、品質、管理の詳細な資料及び見本の提出を求め、それによって認定できるときは立会いを省略することができる。

2 監督員は、前項の完成後外面から明視できない工事に立会うときは、必要な記録及び重要な部分の形状、寸法等を識別できる写真を撮り、その説明を付しておかなければならない。又、やむを得ず立会えないときは、あらかじめ請負人にその指導をしておかなければならない。

(図面と仕様の不一致)

第33条 監督員は、設計図書に明示されていないもの又は設計仕様書と図面の不一致を発見したとき若しくは請負人からこれらの申出を受けたときは、その処置について速やかに上司の指示を受けなければならない。

(図面と現場との不一致)

第34条 監督員は、次の各号の一に該当する事実を認め、又は請負人から連絡を受けたときは、前条の手続きに準じて処理しなければならない。

(1) 設計図書について誤びゅう若しくはもれその他難儀があるとき。

(2) 設計図と現場とが一致しないとき。

(3) 地盤、地質等に予期しなかった状態が発生したとき。

(工事の変更、中止等)

第35条 監督員は、工事の内容を変更し、若しくは中止し、又は工期を変更する必要があると認めたときは、速やかにこれらの具体的な理由を付して設計変更若しくは工事中止又は工期変更の上申書を上司に提出して指示を受けなければならない。

(臨機の措置)

第36条 監督員は、請負人から災害防止のための措置を求められたときは、現地について状況を確認し、必要な指示を与えなければならない。

2 監督員は、請負人が監督員の指示を受けるいとまがなく、臨機の措置をとったときは、速やかにその詳細について報告を求めなければならない。

3 監督員は、災害防止その他工事の施行上緊急やむを得ないと認めるときは、請負人に所要の臨機の措置をとることを求めなければならない。

4 監督員は、前3項の場合における措置又は指示については、その詳細を記録しておかなければならない。

5 第1項から第3項までの規定により、請負人が臨機の措置をとったことに伴う費用の要求があったときは、監督員は、意見を付してこれを上司に提出しなければならない。

(工事状況写真)

第37条 監督員は、工事の作業内容をは握するため、請負人に工事の状況に応じて、位置、寸法、年月日その他必要事項を標示した一連の写真を撮り、説明を付して工事旬報とともに提出させなければならない。

(現場代理人等の交替)

第38条 監督員は、現場代理人、主任技術者又は労務者について、工事の施行管理上不適当で交替を要すると認める者があるときは、理由を付して上司に上申しなければならない。

(工事の延長)

第39条 監督員は、請負人から工期の延長の申請があったときは、速やかに副申書を添えて上司に提出しなければならない。

(工事目的物の譲与又は貸与)

第40条 監督員は、請負人が市長の承認を得ないで工事目的物又は検査済工事材料を第三者に譲与又は貸与し、若しくは担保の目的に供していると認められるとき、又はそのおそれがあるときは、速やかに上司に報告しなければならない。

(発生材)

第41条 監督員は、工事の施行に伴う解体材又は発生材があったときは、請負人に指定場所に集積させ、速やかに発生材調書を上司に提出しなければならない。

(損害発生)

第42条 監督員は、工事目的物の引渡し前に、工事の出来形、工事材料及び仮設物に損害が発生したとき、その他工事の施行に関し損害が生じたとき、又は工事の施行について第三者に損害を及ぼし、次の各号の一に該当するときは、速やかにその事実を調査し、損害発生報告書を上司に提出しなければならない。

(1) 設計図書又は監督員の指示に起因する損害その他発注者の責めに帰すると認められる損害

(2) 天災その他不可抗力による損害

(3) 前2号のほか、工事の施行を阻害するおそれのある損害

(被補償物件の移転の確認)

第43条 監督員が、工事に関係ある被補償物件の機転の確認を命ぜられた場合は現地について確認のうえ、直ちに上司に報告しなければならない。

(完成届)

第44条 監督員は、請負人から完成届の提出があったときは、速やかに請負人立会いのもとに仕様書、設計図書及び工事施行経過資料等により工事の完成を確認し、必要があるときは副申を付して上司に報告するものとする。ただし、出来高不足又は不良個所がある場合は、補修又は改造させ、その完成を確認のうえ報告するものとする。

(検査の立会)

第45条 監督員は、工事に関するすべての検査の際は、立会わなければならない。

(工事現場の跡片付)

第46条 監督員は、工事が完成したときは、受渡し前に工事現場を整理清掃させなければならない。

(監督員の解任)

第47条 監督員は、工事目的物の受渡し完了をもって解任されるものとする。

第6節 検査

(検査の種類)

第48条 検査の種類は、次の各号に掲げるとおりとし、それぞれ当該各号に定める場合に実施するものとする。

(1) 完成検査 工事請負契約に基づき請負者から工事完成届の提出があったとき。

(2) 既成部分検査 工事請負契約に基づき、請負人から既成部分検査願の提出があったとき。

(3) 一部完成検査 請負人と協議のうえ、既成部分について引渡しを受けるとき。

(4) 跡請保証検査 跡請保証に付した工事について、その跡請保証期間が満了したとき、又は跡請保証に付した工事について修補工事の施行を請求した場合において請負人から修補工事完成届の提出があったとき。

(5) 中間検査 工事施行の途中において市長が特に検査をする必要があると認めたとき。

第7節 検査員の職務

(検査員の心得)

第49条 検査員は、常に正確な資料と事実に基づき、厳正に検査を実施するとともに、職務上知り得た秘密を他に漏らしてはならない。

(検査の実施)

第50条 検査員は、上司から請負工事について検査を命ぜられたときは、当該工事に係る工事請負契約書、設計図書その他関係書類及び次に掲げる基準に基づき、現地において合否を検査するものとする。

(1) 監督員又は請負人に対し、必要な人員、用具及び関係書類をあらかじめ準備させるものとする。

(2) 必要があるときは、監督員又は請負者に対して関係資料、写真の提出又は事実の説明を求めるものとする。

(3) 写真その他信頼できる具体的な資料によっても、当該工事の出来形及び品質の良否を判断することが困難な部分がある場合は、必要に応じて破壊検査を実施するものとする。

(4) 解体材、発生材等がある場合は、その処理について検査するものとする。

(5) 検査後において、出来形に変化のおそれのある場合は、写真又は測定記録等によって記録し、検査時の出来形を証明できる処置をしておかなければならない。

(6) 検査の結果、設計と出来形に不符号があったときは、設計どおり修補又は改造をさせなければならない。ただし、設計より出来形が過大であり、かつ、構造上及び効用上支障がないと認めて市長が承認した場合は、この限りでない。

(7) 検査の結果、完成と認められないときは、具体的に理由を付しその他必要な資料を添えて報告するものとする。

(検査結果の処理)

第51条 検査員は、請負工事について検査を行ったときは、それぞれ次の各号に定めるところによって処理するものとする。

(1) 完成検査

 工事目的物が検査に合格した場合

検査員は、工事目的物が検査に合格したときは、検査調書を作成のうえ、これを上司に提出するものとする。この場合において、検査員は、当該工事目的物を跡請保証に付する必要があると認めるときは、検査調書にその旨を記載のうえ、跡請保証に付する部分について跡請保証調書を添付するものとする。

 工事目的物が検査に合格しない場合

検査員は、工事目的物が完成検査に合格しなかったときは、合格しない具体的理由その他必要な資料を添えて上司に報告するものとする。

(2) 既成部分検査

検査員は、現地において当該工事目的物のでき形(監督員の検査に合格した搬入済の工事用資材を含む。)を確認のうえ既成部分(第 回)検査調書及び既成部分内訳書を作成し、上司に提出するものとする。

(3) 一部完成検査

検査員は、一部完成検査を行ったときは、既成部分検査の例により処理するものとする。この場合の検査調書は、一部完成検査とし、検査の対象となった工事目的物を明示するものとする。

(4) 跡請保証検査

 跡請保証に付した工事について検査をしたときは、その結果について修補工事の必要の有無に対する意見を付して上司に報告しなければならない。

 市長が修補工事の必要があると認めて請負人に当該修補工事を請求し、その修補工事が完了した場合の検査については、第1号の完成検査の例により処理するものとする。

(5) 中間検査

検査員は、工事目的物について検査を行った場合は、その結果を書面により上司に報告するものとする。

(緊急措置)

第52条 検査員は、検査の際に緊急に措置する必要を認めたときは、直ちに必要な措置をとることができる。この場合において、検査員は、事後速やかにその措置について上司に報告しなければならない。

第8節 完了

(完了)

第53条 工事担当部長は、しゅん功検査の検査報告に基づき、工事完了の確認をする。

(受渡)

第54条 完了した工事については、直ちに受渡書により工事の受渡しを行わなければならない。

(完了通知)

第55条 工事担当部長は、委託工事が完了したときは、その旨を直ちに他の部長に通知しなければならない。

この訓令は、公布の日から施行する。

(昭和57年訓令第2号)

この訓令は、昭和57年10月1日から施行する。

(平成9年訓令第2号)

この訓令は、平成9年8月1日から施行する。

(平成15年訓令第3号)

この訓令は、平成15年4月1日から施行する。

(平成16年訓令第5号)

この訓令は、公布の日から施行する。

(平成17年訓令第3号)

この訓令は、公布の日から施行する。

(平成19年訓令第16号)

この訓令は、平成19年4月1日から施行する。

網走市工事施行規程

昭和49年8月28日 訓令第2号

(平成19年4月1日施行)

体系情報
第6編 務/第4章
沿革情報
昭和49年8月28日 訓令第2号
昭和57年9月9日 訓令第2号
平成9年7月31日 訓令第2号
平成15年3月28日 訓令第3号
平成16年6月23日 訓令第5号
平成17年4月8日 訓令第3号
平成19年3月30日 訓令第16号