○網走市移動等円滑化のために必要な特定公園施設の設置に関する基準を定める条例
平成25年3月13日
条例第9号
(趣旨)
第1条 この条例は、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成18年法律第91号。次条において「法」という。)第13条第1項に規定する移動等円滑化のために必要な特定公園施設の設置に関する基準を定めるものとする。
(定義)
第2条 この条例において使用する用語は、法において使用する用語の例による。
(一時使用目的の特定公園施設)
第3条 災害等のため一時使用する特定公園施設の設置については、この条例の規定によらないことができる。
(園路及び広場)
第4条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等(高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律第2条第1号に規定する高齢者、障害者等をいう。以下同じ。)が利用する高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行令(平成18年政令第379号。以下「令」という。)第3条第1号に規定する園路及び広場を設ける場合は、そのうち1以上は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
(1) 出入口は、次に掲げる基準に適合するものであること。
ア 幅は、180センチメートル以上とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、90センチメートル以上とすることができる。
イ 車止めを設ける場合は、当該車止めの相互間の間隔のうち1以上は、90センチメートル以上とすること。
ウ 出入口からの水平距離が150センチメートル以上の水平面を確保すること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
エ オに規定する場合を除き、車椅子を使用している者(以下「車椅子使用者」という。)が通過する際に支障となる段がないこと。
オ 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ず段を設ける場合は、第5号に定める構造の傾斜路(その踊場を含む。以下同じ。)を併設すること。
カ 表面は、粗面とし、又はぬれても滑りにくい材料で仕上げること。
(2) 通路は、次に掲げる基準に適合するものであること。
ア 幅は、180センチメートル以上とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、通路の末端の付近及び区間50メートル以内ごとに2人の車椅子使用者がすれ違うことのできる広さの場所を設けた上で、140センチメートル以上とすることができる。
イ ウに規定する場合を除き、車椅子使用者が通過する際に支障となる段がないこと。
ウ 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ず段を設ける場合は、第5号に定める構造の傾斜路又は車椅子使用者の円滑な利用に適した構造の昇降機を併設すること。
エ 縦断勾配は、5パーセント以下とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、8パーセント以下とすることができる。
オ 横断勾配は、1パーセント以下とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、2パーセント以下とすることができる。
カ 表面は、粗面とし、又はぬれても滑りにくい材料で仕上げること。
キ 排水溝を設ける場合は、つえ、車椅子のキャスター等が落ち込まない構造の溝蓋を設けること。
ク 視覚障害者の円滑な通行を確保する上で必要な部分には、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行令第11条第2号に規定する点状ブロック等及び同令第21条第2項第1号に規定する線状ブロック等を適切に組み合わせたもの(第6号及び第7条第1項第2号キにおいて「視覚障害者誘導用ブロック」という。)を床面に敷設すること。
ケ 必要に応じ、手すりを設けることとし、当該手すりの必要な箇所において通路の通ずる場所を示す点字表示を行うこと。
コ 便所等公園内の建築物の出入口の付近は、平たんとすること。
(3) 階段(その踊場を含む。以下同じ。)は、次に掲げる基準に適合するものであること。
ア 幅は、150センチメートル以上とすること。ただし、手すりが設けられる場合にあっては、当該手すりの幅のうち10センチメートルを限度として、当該手すりがないものとみなして算定することができる。
イ 蹴あげの寸法は、16センチメートル以下とすること。
ウ 踏面の奥行きの寸法は、30センチメートル以上とすること。
エ 蹴込みの寸法は、2センチメートル以下とすること。
オ 手すりが両側に設けられていること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
カ 手すりの端部の付近その他必要な箇所において階段の通ずる場所を示す点字表示を行うとともに、当該端部が突出しない構造とすること。
キ 回り段がないこと。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
ク 表面は、粗面とし、又はぬれても滑りにくい材料で仕上げること。
ケ 踏面の端部とその周囲の部分との色の輝度比が大きいこと等により段を容易に識別できるものとし、かつ、段鼻の突き出しその他のつまずきの原因となるものを設けられていない構造のものであること。
コ 縁端は、つえが脱落しないよう壁面とし、又は5センチメートル以上立ち上げること。
(4) 階段を設ける場合は、次号に定める構造の傾斜路を併設しなければならない。ただし、地形の状況その他の特別の理由により傾斜路を設けることが困難である場合は、エレベーター、エスカレーターその他の昇降機であって高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造のものをもってこれに代えることができる。
(5) 傾斜路(階段又は段に代わり、又はこれに併設するものに限る。)は、次に掲げる基準に適合するものであること。
ア 幅は、150センチメートル以上とすること。ただし、階段又は段に併設する場合は、120センチメートル以上とすることができる。
イ 縦断勾配は、8パーセント以下とすること。
ウ 横断勾配は、設けないこと。
エ 表面は、粗面とし、又はぬれても滑りにくい材料で仕上げること。
オ 高さが75センチメートルを超える傾斜路である場合にあっては、高さ75センチメートル以内ごとに踏幅150センチメートル以上の踊場が設けられていること。傾斜路が同一平面で交差し、又は接続する場合に当該交差又は接続する部分についても同様とする。
カ 高さが16センチメートルを超える傾斜がある場合には、手すりが両側に設けられていること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
キ 手すりの端部の付近その他必要な箇所において傾斜路の通ずる場所を示す点字表示を行うとともに、当該端部が突出しない構造とすること。
ク 縁端は、つえ、車椅子のキャスター等が脱落しないよう壁面とし、又は5センチメートル以上立ち上げること。
ケ その踊り場及び当該傾斜路に接する通路等との色の輝度比が大きいこと等によりこれらと識別しやすいものとすること。
(6) 高齢者、障害者等が転落するおそれのある場所には、柵、視覚障害者誘導用ブロックその他の高齢者、障害者等の転落を防止するための設備が設けられていること。
(屋根付広場)
第5条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する屋根付広場を設ける場合は、そのうち1以上は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
(1) 出入口は、次に掲げる基準に適合するものであること。
ア 幅は、180センチメートル以上とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、90センチメートル以上とすることができる。
イ ウに規定する場合を除き、車椅子使用者が通過する際に支障となる段がないこと。
ウ 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ず段を設ける場合は、前条第5号に定める構造の傾斜路を併設すること。
(2) 車椅子使用者の円滑な利用に適した広さが確保されていること。
(休憩所及び管理事務所)
第6条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する休憩所を設ける場合は、そのうち1以上は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
(1) 出入口は、次に掲げる基準に適合するものであること。
ア 直接地上に通ずる出入口にあっては、幅は120センチメートル以上とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、90センチメートル以上とすることができる。
イ 直接地上に通ずる出入口以外のものにあっては、幅は90センチメートル以上とすること。
ウ エに規定する場合を除き、車椅子使用者が通過する際に支障となる段がないこと。
エ 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ず段を設ける場合は、第4条第5号に定める構造の傾斜路を併設すること。
オ 戸を設ける場合は、当該戸は、次に掲げる基準に適合するものであること。
(イ) イに規定する出入口の戸にあっては、幅は90センチメートル以上とすること。
(ウ) 自動的に開閉する構造その他の高齢者、障害者等が円滑に開閉して通過できる構造とし、かつ、その前後に高低差がないものとすること。
(エ) 当該戸にガラスを使用するときは、安全な材質を使用すること。この場合において、全面をガラスとするときは、視覚障害者等の衝突を防止するための措置を講ずること。
(2) カウンター又は記載台を設ける場合は、そのうち1以上は、車椅子使用者が円滑に利用できる高さとし、その下部に車椅子使用者が利用しやすくするための空間を有する構造のものとすること。
(3) 車椅子使用者の円滑な利用に適した広さが確保されていること。
(野外劇場及び野外音楽堂)
第7条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する野外劇場は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
(1) 出入口は、第5条第1号の基準に適合するものであること。
ア 幅は、120センチメートル以上とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、通路の末端の付近の広さを車椅子の転回に支障のないものとした上で、90センチメートル以上とすることができる。
イ ウに規定する場合を除き、車椅子使用者が通過する際に支障となる段がないこと。
ウ 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ず段を設ける場合は、第4条第5号に定める構造の傾斜路を併設すること。
エ 縦断勾配は、5パーセント以下とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、8パーセント以下とすることができる。
オ 横断勾配は、1パーセント以下とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、2パーセント以下とすることができる。
カ 表面は、粗面とし、又はぬれても滑りにくい材料で仕上げること。
キ 高齢者、障害者等が転落するおそれのある場所には、柵、視覚障害者誘導用ブロックその他の高齢者、障害者等の転落を防止するための設備が設けられていること。
(3) 当該野外劇場の収容定員が200以下の場合にあっては当該収容定員に50分の1を乗じて得た数(その数が2未満である場合には、2とする。)以上、収容定員が200を超える場合にあっては当該収容定員に100分の1を乗じて得た数に2を加えた数以上の車椅子使用者が円滑に利用することができる観覧スペース(次項において「車椅子使用者用観覧スペース」という。)を設けること。
2 車椅子使用者用観覧スペースは、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
(1) 幅は90センチメートル以上であり、奥行きは140センチメートル以上であること。
(2) 車椅子使用者が利用する際に支障となる段がなく、かつ、その床が水平であること。
(3) 車椅子使用者が転落するおそれのある場所には、柵その他の車椅子使用者の転落を防止するための設備が設けられていること。
3 前2項の規定は、不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する野外音楽堂について準用する。
(駐車場)
第8条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する駐車場を設ける場合は、そのうち1以上に、当該駐車場の全駐車台数が200以下のときは当該駐車台数に50分の1を乗じて得た数以上、全駐車台数が200を超えるときは当該駐車台数に100分の1を乗じて得た数に2を加えた数以上の車椅子使用者が円滑に利用することができる駐車施設(次項において「車椅子使用者用駐車施設」という。)を設けなければならない。ただし、専ら大型自動二輪車及び普通自動二輪車(いずれも側車付きのものを除く。)の駐車のための駐車場については、この限りでない。
2 車椅子使用者用駐車施設は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
(1) 幅は、350センチメートル以上とすること。
(2) 車椅子使用者用駐車施設又はその付近に、車椅子使用者用駐車施設の表示をすること。
(3) 建築物又はその敷地に設ける第1項の駐車場に車椅子使用者用駐施設を設ける場合にあっては、当該車椅子使用者用駐車施設から当該建築物における多数の者の利用に供する居室までの経路の長さができるだけ短くなる位置に設けるとともに、屋根を設ける等積雪及び通路の凍結に配慮するほか、必要に応じ当該建築物の出入口までの経路について誘導標示を行うこと。
(便所)
第9条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する便所は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
(1) 床の表面は、粗面とし、又はぬれても滑りにくい材料で仕上げること。
(2) 男子用小便器を設ける場合は、1以上の床置式小便器、壁掛式小便器(受け口の高さが35センチメートル以下のものに限る。)その他これらに類する小便器が設けられていること。
(3) 前号の規定により設けられる小便器には、手すりが設けられていること。
2 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する便所を設ける場合は、そのうち1以上は、前項に掲げる基準のほか、次に掲げる基準のいずれかに適合するものでなければならない。
(1) 便所(男子用及び女子用の区別があるときは、それぞれの便所)内に高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有する便房が設けられていること。
(2) 高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有する便所であること。
3 前項第1号の便房が設けられた便所は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
(1) 出入口は、次に掲げる基準に適合するものであること。
ア 幅は、90センチメートル以上とすること。
イ ウに規定する場合を除き、車椅子使用者が通過する際に支障となる段がないこと。
ウ 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ず段を設ける場合は、第4条第5号に定める構造の傾斜路を併設すること。
エ 高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有する便房が設けられていることを表示する標識が設けられていること。
オ 必要に応じ、点字により男子用又は女子用の別及び便所の構造を示した案内板その他の設備を設けること。
カ 戸を設ける場合は、当該戸は、次に掲げる基準に適合するものであること。
(ア) 幅は、90センチメートル以上とすること。
(イ) 自動的に開閉する構造その他の高齢者、障害者等が円滑に開閉して通貨できる構造とし、かつ、その前後に高低差がないものとすること。
(2) 車椅子使用者の円滑な利用に適した広さが確保されていること。
4 第2項第1号の便房は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
(1) 出入口には、車椅子使用者が通過する際に支障となる段がないこと。
(2) 出入口には、当該便房が高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造のものであることを表示する標識が設けられていること。
(3) 腰掛便座及び手すりが設けられていること。
(4) 高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有する水洗器具及び非常用の呼出装置が設けられていること。
(水飲場及び手洗場)
第10条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する水飲場を設ける場合は、そのうち1以上は、高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造のものでなければならない。
2 前項の規定は、不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する手洗場について準用する。
(標識及び掲示板)
第11条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する標識は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
(1) 高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造のものとし、かつ、必要に応じ点字表示を行い、又は音声により視覚障害者を誘導する装置その他これに代わる装置を設けること。
(2) 当該標識に表示された内容が容易に識別できるものであること。
(3) 当該標識は、第4条第1号に定める構造の園路及び広場の出入口の付近のほか、園内の要所に設けること。
2 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する掲示板は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
(1) 高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造のものであること。
(2) 当該掲示板に標示された内容が容易に識別できるものであること。
附則
この条例は、平成25年4月1日から施行する。